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ヤマト「完結編」直後――2205年頃
珍しく官舎でくつろいでいた加藤四郎のもとに、 さらに珍しく、佐々葉子 から連絡が入った。 短い航海から帰ってきたばかりだ。 「元気か――」ポンと画面に現れる姿は、これもまた珍しくカジュアルな 軽装で、背景は微妙に消してあるとはいうものの、近くにいるわけでは ないらしいと知れる。だが、地上だろう――宇宙空間からではないらしい。 料理を作りかけてエプロンをしてお玉を持ったままの四郎は、なかなか これはこれで元ヤマト戦闘機隊長としてはユニークな眺めだとは思うの だが、佐々はいつものように、余計な無駄口ははさまず、要件だけを 簡単に言った。 『明日からの休暇の間、二日ほど時間があるか』 「うん、作れるよ――貴女次第だけど」 訓練学校に顔出して次の寄港時の相談と――戦士たちは合間を縫っ ては後輩の面倒を見るように義務づけられている――健康診断と。それ 以外は地上でスケジュールが合う限りは彼女と居ようと決めているので。 もちろん、地上での短い時間、それなりにやることがないわけではない。 なかなか逢えない友人と逢ったり、実家にもたまには顔出して両親や 義姉さんや姪っ子甥っ子にも会って―― 懐いて尊敬してくれているらしい 甥っ子はそれなりに可愛いし、父さん母さんにとっては、いまや四人兄弟 のうち生き残って身近に居るのは俺だけになってしまったから。……一郎 兄さんはどこかにいるとは思うけどなぁ。銀河系の外の――。 まぁそんなことだろうな、と彼女は答えて。 『付き合ってくれると、嬉しい。私は明日夜、戻るので。連絡する』 「了解――」 どこに居るんだとか、いつ地球へ戻ってきたのという間もなく、通信は 切れて。まったく色気もなにもないなといつものことにため息を吐く。 そうするうちに、スープが沸騰しそうになったので、慌ててそのオープン キッチンに踵を返して。一人の夕食も嫌いではない、美味しいものを食 べるのは人間の基本だよと父も母も――やっぱり同じように戦艦乗りだ った爺ちゃんも言っていたっけ。 そうか、なんだろな。明日帰ってくるのか。久しぶりに会える。 夜になって、連絡が入った。 『こっちから、行こうか、それとも、来る』 積極的に葉子から誘ってくるのは珍しいので、それだけでもうきうきと。 もちろん、彼女の官舎の方が居心地は良い。 一緒にいる時間はあっち の方が長いせいもあるし、それに彼女は「いつ来ても良い」と言ってある この官舎 |
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