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デスラーの身を案じながら、ガミラスの避難民を預かっていたタラン は、白色彗星帝国からの連絡に、喜び、打ち震えた。 「久しぶりだな。タラン―――」 モニターの向こうのデスラーは、病み上がりということもあって 覇気に 乏しく、声にも力が感じられない。しかし、それでも生きているという だけで、デスラーの存在は、人民にとって大きな希望となる。 「総統。ご無事を信じておりました」 不覚にも、モニター画面が涙でにじむ。 デスラーの行方が分からなくなってから、タランはその重責に耐え、 “デスラーの名のもとに”人民を守り、待っていたのだ。ともすれば、 不安に陥り、不平を口にする者たちに向かって、「必ず総統はお戻り になる。今はしばらく、その翼を休めているに過ぎない」と説き、戻って 来たその時から、すぐに指揮が執れるように、態勢を整えていた。 しかし、デスラーの口からこぼれ出た言葉は、タランが待ち望んで いた復活の宣言ではなかったのだ。 「私は敗れたのだよ。タラン――。ヤマトに、敗北したのだ……」 タランは知らぬわけではなかった。艦隊の全滅も、ヤマトが地球へ帰 還したことも、すでに耳に届いていた。それでもデスラーは闘志を持ち 続け、自分を召喚して、再びヤマトと闘うだろうと想像していた。 「……総統」 どう答えればよいのか分からず、タランは戸惑った。 「多くの者が死んだ。私は、愚かだった―――」 「総統!」 跪き、俯いた。 弱っているデスラーを見ることなど、許される自分ではない。ただ命令 に従うだけの身分なのだ。 麗しき、お顔を拝するだけでも光栄だというのに。 タランは、行方が知れなくなってからのデスラーを 慮った。 疲れておられるのだ――。身体も、心も。 「ガミラスの大総統、デスラー閣下に、 畏れながら申し上げます――」 血を吐く思いだった。もしデスラーが、自分の言葉に立腹し、死ねと 言われるなら、この場で死んでもいいと思いながら、それでも、言わず にいられなかった。 「民を統べられるお方は――、 後悔などなさるものではありません。 総統に思われるところがおありでしたら、ただご反省を……。ガミラス の人民全てが、総統を信じて、ここで待っております」 眦に浮かぶ涙を、袖口でそっと押さえて、 「直ちにお迎えに参上いた します」そう続けた。 長く黙した後ではあったが、 「―――まだだ。タラン、私を迎えに来るのは、先の戦いで亡くなった 遺族に、存分な恩賞を与えてからでよい――。 特にドメルの一族には―――、 彼を失ったことは、私にとっては大きな痛手だ。手厚い保護と、十分な 恩賞、求める願いは私の名によって叶えてやってくれ。それを済ませる までは迎えに来てはならぬ」 そう言うデスラーの口調には、徐々に熱が戻ってきたような気がする。 「タラン。私は大丈夫だと民に伝えてくれ。ここでは客人として、篤い もてなしを受けている。民にとって大切なこの命を、白色彗星帝国の 大帝に救われたのだ。受けた恩は返さねばならない。 その後再び、 我が人民のために、私は立ち上がろう」 「はっ。仰せのとおりにいたします」 顔を上げることなく、タランは答えた。 「頼んだぞ、タラン。―――心配をかけたな……」 映像は切られ、沈黙が押し包む通信室で、タランは 俯いたまま、 男泣きに泣いた。 |
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